建設業AI活用③「とりあえずAI」で失敗しないために。建設業が最初に取り組むべき4つの領域
工事原価管理・管理会計システムSitrom-CCを運営するフォロス株式会社の代表 後藤義之による、建設業AI活用についての考えをご紹介する企画第3弾です。ぜひご一読ください。
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前回は、AIの「理想解」と設計原則をお伝えしました。
しかし、「理想はわかったが、今すぐ何かをやりたければ、どうしたらいいのか?」——これが、最も多くいただくご質問です。
第3回目となる最後は、「まず半年で成果を出す」ための現実的な4つのAI活用と、「導入後に成果が出ない」を避けるためのチェックリストをご紹介します。
短期で成果を出す鍵:高度な学習を避け、ボトルネックを潰す
短期で成果を出す鍵は、"高度な学習"を避け、既に実績のある型で、業務のボトルネックを潰すことです。
以下、Sitrom-CCの文脈で「導入後」が想像できる4つの具体例をご紹介します。
【現実解1】領収書・請求書のOCRで「入力」を潰す
最初に効くのは、現場と経理の双方が苦しむ"証憑入力"です。
スマホ撮影→AI解析→宛先/金額/インボイス対応の抽出→過去仕訳から勘定科目推測、という流れは、既に多くの業界で定番化しています。
導入のリスクが少なく、定番といえる方法です。
■ Sitrom-CCでの具体例
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現場で立替した資材・消耗品の領収書を、現場で撮影してアップ
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AIが金額・日付・取引先名・税区分の候補を作り、Sitrom-CCの経費精算や仕入入力の下書きに反映
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過去に同じ取引先で計上した科目(例:消耗品費/工具器具備品/外注費)や、工事別の付け方を参照し、候補を提示
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経理は"ゼロから入力"ではなく、"候補の確認"に集中できる
重要なのは、AIが確定しないことです。候補を作る→人が確定→Sitrom-CCが正になる。
この順番なら、監査・会計の安全性を保ちながら工数を削減することが可能です。
【現実解2】社内専用の「超高性能検索(RAG)」で探す時間をゼロにする
次に効くのが、「社内専用検索」です。過去の工事資料、見積事例、トラブル対応、社内規定をAIが引けるようにします。
高度な推論を伴わない検索ベースなら、短期間で実装しやすく、社内にも「変わった」感を出しやすいものです。
■ 社内での"刺さる質問"はだいたい決まっているかと思います。
• 「この工法で過去に起きた不具合は?是正手順は?」
• 「この発注形態のとき、検収は何を揃える?」
• 「追加工事が出た時、契約変更の社内フローは?」
• 「この材料、代替品の採用実績は?」
これらは、熟練者がいれば口頭で済む一方、新人や拠点が増えるほど破綻します。
RAGは、LLMの"知識"ではなく、自社の根拠文書を検索して答えさせるので、属人性を壊す第一歩として極めて現実的です。
まずはよくある質問パターンへの回答に絞って実装することがお勧めです。
【現実解3】画面内「AIアシスタント」で教育コストを削る
3つ目の提案は、「システム内AIアシスタント」です。
Sitrom-CCのサイドバーにAIボタンを置き、操作方法の質問や、画面に出ている数字の要約をさせます。
■ 導入直後に効く"あるある"の具体例
• 「出来高の入力はどこから?」「日報の承認は誰が?」
• 「この画面の"未請求"って何の未請求?」
• 「今月この工事が赤い理由を、まず3行で説明して」
• 「日報でマイナスを入力したいけどどうしたらよい?」
まずは一般的なAIアシスタントに近い機能を導入し、慣れてもらうことに主眼をおきます。ここでのコツは、AIに正確なデータ判断をさせないことです。
画面説明・要約・リンク提示を中心にし、確定は人と業務フローで行う。この線引きが、現場定着とガバナンスの両立になります。
【現実解4】Officeツール連携(Copilot等)で資料作成の時間を削る
Excel等のAI支援(Copilotなど)を組み合わせ、集計や資料作成の時間を短縮するのも即効性が高い領域です。
MicrosoftはCopilotのデータ境界(学習に使わない等)を明示しており、社内説明もしやすい部類です。
「AIを入れたのに成果が出ない」を避けるための3つのチェックリスト
最後に、相談を受けたときに"診断"として提示できる、実務的な論点をまとめます。
【チェック1】目的を「削減したい工数」で言い直してみる
「AIを使って何かしたい」を、次のように翻訳してください。
• 入力を減らしたい(領収書/請求書/OCR)
• 探すのをやめたい(RAG検索)
• 教えるのを減らしたい(画面内アシスタント)
• 事故を減らしたい(赤字予兆アラート)
この翻訳ができると、PoCが「単なるデモンストレーションで終わる」ことを避けられます。
【チェック2】データ基盤は"後回し"にしない
理想解に進む鍵は、「正確かつ広範囲な業務データが、1つのシステムに統合」されていることです。
Sitrom-CCは見積・予算・受発注・請求入金と、現場管理、会計、勤怠までをカバーし、現場入力をリアルタイム集計する思想を持ちます。
AIだけを先に導入しても、燃料がなければ"賢いフリをするチャット"で終わります。
逆に言えば、Sitrom-CCを"経営のデータ基盤"として整えるほど、AIは後からいくらでも伸びます。
【チェック3】ガバナンスは「後から整える」では遅い
AIは、権限・ログ・誤回答・情報漏えい・プロンプトインジェクションなど、従来のITと異なる論点が増えます。
政府・規制側でもガイドライン整備が進んでおり、社内稟議や顧客説明の材料になります。
結び:Sitrom-CCに相談すると「AIが回る会社」に最短で近づく理由
生成AIの業務利用は、様々な製品や手法が日々生まれアップデートされています。
社内リソースだけで導入しようとしても、時間や費用がボトルネックになっておられるところかもしれません。
お悩みの場合は、ぜひお問い合わせください。
どのようなAIを導入するにしても、その成果を現実化するためには、元となるデータ、つまり業務データ基盤に依存します。
業務データや業務そのものへの理解のあるパートナーと、以下のようなステップで推進し、AIによる成長の最初の一歩を一緒に踏み出しませんか?
■ ステップで考えるAI導入
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まず半年で成果を出すなら、OCR・RAG・画面内アシスタントで「入力・検索・教育」を削る
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その間に、Sitrom-CCに見積・日報・原価・会計のデータを一気通貫で蓄積し、
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次の段階で、赤字予兆・経営分析レコメンド・見積ナビゲーションへ進む
3回にわたり、お読みいただきありがとうございました。
今後とも、建設業の皆様の業務改善と経営力強化を支援してまいります。
ご不明点やご相談がございましたら、お気軽にこちらよりお問い合わせください。